関西経済同友会とは

前年度事業報告

令和2年5月12日
通常総会報告

令和元年度事業報告

一般社団法人 関西経済同友会

令和元年度は、「2025年、そしてその先へ~大阪・関西の新たな挑戦~」をテーマに、Challenge「次のステージに進むための実践・実装」、Design「さらなる発展を見据え、魅力的な未来像を描く」、Base「チャレンジとデザインの実現が可能な基盤・環境づくり」を重点課題と位置付けた。過去から受け継がれてきた自主独立の気風と先進性を継承し、多様性・包摂性および会員間相互の交流促進を図るとともに、関西・日本の発展に寄与する創造性・実効性を重視した提言と活動を行った。

【役員会等の運営状況】

本会は、一般社団法人として一般社団・財団法人法及び、定款、規程・規則などに基づく運営を行った。

令和元年5月14日に通常総会を開催し、平成30年度決算を承認、令和元年度理事・常任幹事・幹事を選任するとともに、理事会に推薦する代表理事・業務執行理事候補者を選出した。また、幹事会での審議を経て、理事会で承認された平成30年度事業報告、令和元年度事業計画書及び収支予算書などについても報告がなされた。

理事会は、5回開催した。平成30年度事業報告、通常総会に付議する平成30年度決算案の承認、代表理事・業務執行理事の選定、補充する幹事の選任、職務執行状況の報告、幹事会・常任幹事会運営規則の改定、令和2年度事業計画書及び収支予算書の承認など、一般社団・財団法人法や定款などで定める項目を審議した。

本会の運営全般について意思決定を行う幹事会は、8月を除く毎月1回開催し、提言案などの審議、海外調査団や主要イベントの報告、月次収支報告などを行った(但し、3月は書面開催)。加えて、万博の構想や日本政治の行方について講演を聞いたほか、本会として取り組むべき課題等についても議論した。

常任幹事会も、8月を除き月1回(3月のみ2回)開催し、幹事会の議案の事前協議を中心に討議を行った(但し3月の1回は書面開催)。年度半ばの11月には、代表幹事・常任幹事で意見交換合宿を行い、我々を取り巻く環境や直面する課題、次年度事業計画に取り上げるべき課題について議論、令和2年度事業計画を共同して練り上げた。

通常総会パーティ、歴代代表幹事との懇親懇談会、放談会、新入会員との懇談会などを開催し、会員の交流、親睦を図ることにも努めた。

【委員会等の活動(1):同友会全体としての活動や課題に取り組む組織の活動】

① 総合政策審議会

発信力強化、提言などの実現性・実効性の向上などに向け、政治家との意見交換を行った。

② 調査企画部会

諮問なし。

③ 経済同友会連携会議

西日本を中心に、京都、神戸、中部など他の経済同友会と連携し、以下の会合などを開催した。
・第6回西日本経済同友会代表者会議(7月18日 於:大阪市)

西日本の18地区経済同友会から、代表幹事及び事務局長等46名が参加し、「子どもの貧困に対する経済界のかかわり」「大阪・関西万博の概要と各地からの期待」をテーマに議論した。
・第117回西日本経済同友会会員合同懇談会(10月11日・12日 於:米子市)
・第3回四国・関西経済同友会意見交換会(10月17日 於:大阪市)
・京阪神経済同友会代表幹事懇談会(10月23日 於:京都市)
・全国経済同友会代表幹事円卓会議(10月28日 於:大津市)
・第58回関西財界セミナー(2月6日・7日 於:国立京都国際会館)

関西経済連合会と共催し、京都・神戸経済同友会などの協力を得て、関西の経営者約250名を含む734名が参加した。2025年の万博開催など関西は飛躍の時期を迎える一方、グローバルリスク、デジタル社会の到来といった大変革の最中にもあり、我々は関西の強みである自由闊達な気風を生かしつつ、万博の成功とそれ以降も持続的に発展する社会・経済システムの構築が求められている。「好機のいま、はばたく関西~起爆剤を発展につなげる~」をメインテーマに、変動する国際情勢への対応と海外市場開拓の果敢な挑戦、デジタル時代におけるWell-Being社会の実現、経営環境の激変を企業の新たな力とする、関西の強みを生かしたベンチャーエコシステムの形成、スポーツで輝く関西、明るい超高齢・人口減少社会のつくり方(Under40とOver40の対話型分科会)、といった6つの分科会に分かれ、2日間にわたって討議し、最後に主催者声明をまとめ、発表した。

※なお、開催を予定していた以下の会合は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から延期・中止とした。
・経済同友会との東西首脳懇談会(令和2年3月2日 於:東京)
・中部・関西経済同友会合同懇談会(同4月10日 於:大阪市)
・第33回全国経済同友会セミナー(同4月15日~17日 於:高知市)
・6経済同友会(京都・神戸・滋賀・奈良・和歌山・関西)代表幹事懇談会(同4月22日 於:大阪市)

【委員会等の活動(2):国・自治体への政策提言および企業・経営者等への行動促進を主目的とする委員会の活動】

④ 企業経営委員会

講演会4回(8月22日、11月21日、12月6日、1月15日)、委員会会合3回(6月18日、2月13日、3月10日(書面照会))を開催するなど精力的に活動した。その成果として、提言「経営者は『魅力ある企業』に向けた行動・仕組みづくりを~『人』を活かす経営による革新と成長を目指して~」をとりまとめ、令和2年4月6日に記者発表した。

⑤ 中堅企業委員会

講演会2回(8月19日、2月18日)、視察2回(10月9日、12月2日)、両代表幹事と語る会(10月30日)、委員会会合2回(6月19日、4月9日(書面照会))を開催した。活動の成果を報告書にとりまとめ、4月幹事会に報告した。

⑥ 関西版ベンチャーエコシステム委員会

講演会・ピッチ3回(12月4日、12月18日、2月20日)、視察(11月20日)、委員会合・懇談会・視察事前打ち合わせ6回(6月17日、9月2日、9月5日、10月8日、10月8日、)の開催に加え、「イスラエル視察団」(9月14日~20日)を派遣し、社会実装のあり方、オープンイノベーションを行う方策を調査するとともに、イスラエルとのネットワーク強化に努めた。活動の成果を報告書にとりまとめ、4月幹事会に報告した。

⑦ 関西ブリッジフォーラム推進委員会

大阪イノベーションハブなどと協力して、本会会員がメンターとしてベンチャー企業経営者に助言する関西ブリッジフォーラムを5回(5月31日、7月17日、9月25日、11月20日、1月15日)開催した。

⑧ 大阪食文化委員会

講演会2回(8月7日、9月10日)、視察4回(10月18日、11月22日、12月20日、2月21日)、委員会会合1回(6月20日)を開催した。

⑨ 文化の力委員会

講演会4回(7月25日、10月28日、12月16日、1月17日)、視察・鑑賞会2回(8月2日、10月16日)、委員会会合1回(6月6日)を行った。更に、令和2年4月16日には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響下、苦境にある文化芸術活動への支援政策を求める緊急アピールを委員長と(公財)関西・大阪21世紀協会理事長と共同で発信した。
有志企業で構成する実行委員会による第2回「なにわの企業が集めた絵画の物語」展(1月24日~2月15日)の開催を支援した。「アーツサポート関西 (ASK)」に対する支援も引き続き行った。

⑩ 「関西×スポーツ」委員会

講演会4回(8月1日、9月5日、12月12日、2月14日)、ラグビーワールドカップ2019日本大会視察2回(9月30日、10月3日)・卓球練習会(2月11日)、委員会会合2回(6月7日、3月12日(書面照会))を開催した。「ドイツ・オランダ視察団」(10月16日~23日)を派遣し、生涯スポーツの文化が定着し、高いスポーツ実施率を誇る両国で、地域のスポーツ文化を支える団体・組織の仕組み、振興政策などを視察した。

⑪ 大阪・関西EXPO2025委員会

講演会1回(11月6日)、委員会会合3回(6月19日、9月3日、1月16日)を開催した。加えて、万博の計画策定に対して積極的に意見表明を行った。経済産業省が公表した「大阪・関西万博具体化検討会・万博計画具体化検討ワーキンググループ」報告書(案)に対しては、パブリックコメントを作成、7月19日に提出した。また、2025年日本国際博覧会協会が、様々な事業アイデアを広く募集、意見交換する場である「People’s Living Lab促進会議」にも参加。提案をとりまとめ、第5回会議(3月23日)で、万博24時間開業などを提案した。(その模様は後日Web上で配信された。)

⑫ MICE・IR推進委員会

講演会2回(9月25日、12月17日)、委員会会合1回(6月4日)を開催した。

⑬ 関西Reデザイン委員会

講演会3回(8月29日、12月3日、2月13日)、委員会会合1回(6月19日)を開催した。活動の成果を報告書にとりまとめ、4月幹事会に報告した。

⑭ 人生100年時代委員会

講演会2回(7月22日、9月11日)、委員会会合3回(6月12日、10月7日、11月1日)を開催した。昨年度の成果と合わせ、提言「令和(REIWA)モデルの人材育成戦略で人生100年時代の変化を乗り越える~『閉鎖的』キャリアから『開放的』キャリアへの転換を~」をとりまとめ、12月13日に記者発表した。

⑮ デジタルソサエティ委員会

講演会3回(8月2日、9月20日、11月5日)、委員会会合2回(6月10日、2月12日)を開催した。昨年度の成果と合わせ、提言「日本らしい価値観で『ひとが幸福になる』デジタル社会を実現し勝機を掴め」をとりまとめ、3月11日に記者発表した。

⑯ 関西レジリエンス委員会

講演会2回(8月23日、9月20日)、会合5回(6月10日、10月21日、11月27日、12月18日、2月17日)を開催した。その成果として、提言「インバウンドを支える『安心・安全な関西』の構築に向けて~被災した外国人旅行者が本当に求める対策とは~」をとりまとめ、3月3日に記者発表した。

⑰ 関西レジリエンス委員会 外国人材受入分科会

講演会2回(9月12日、1月15日)、委員会会合5回(6月20日、7月23日、2月21日、3月11日、4月14日(書面照会))を開催した。その成果として、アピール「外国人材受入れについてのアピール~労働力ではなく 人として受け入れるために~」をとりまとめ、5月8日に記者発表(資料提供)した。

⑱ 安全保障委員会

講演会3回(8月9日、10月4日、1月24日)、委員会会合1回(6月14日)のほか、海外調査などの活動を行った。「第18回大韓民国訪問団」を編成し、ソウルを訪問(8月27日・28日)し、有識者と安全保障問題、北朝鮮問題、日韓関係について率直な意見交換を行った。活動の成果を報告書にとりまとめ、4月幹事会に報告した。

⑲ 経済政策委員会

講演会3回(7月19日、9月10日、11月28日)、委員会会合3回(6月18日、12月11日、3月5日(書面照会))を開催した。その成果として、提言「『未来社会』の展望と日本経済が目指すべき姿~日本の強みを活かしたイノベーションでワクワクする社会を実現~」をとりまとめ、5月11日記者発表(資料提供)した。

⑳ 地方分権委員会

講演会3回(8月9日、8月30日、10月15日)、視察(12月5日・6日)、委員会会合2回(6月17日、2月28日)を開催した。活動の成果を報告書にとりまとめ、4月幹事会に報告した。

㉑ 海外交流委員会

恒例の訪米代表団(11月10日~17日)の派遣、第27回ボストン・シンポジウム(11月15日)の開催に協力するとともに、委員会メンバーが参加した。講演会(10月24日)の他、懇談会・委員会会合3回(6月13日、9月27日、12月9日)を開催し、来阪した内外の政策立案者との意見交換に努めた。3回目となる関西・ハーバード フォーラム開催準備にも努めた(新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、実施は2021年夏に延期)。
・第27回ボストン・シンポジウム(11月15日)
「デジタル時代をどう生きる~これからの安全保障・経済社会~」をテーマに、ハーバード大学ケネディスクール、ボストン日本協会と共催。本会からは池田博之・深野弘行両代表幹事をはじめ総勢38名が参加。シンポジウムに先立ちワシントンD.C.、ボストンで視察を実施した。

また、6月11日・12日には、初めての試みとして「同友会Days」を開催、平成30年度の4つの委員会提言を題材に、今世の中で注目を集めるテーマとしてナレッジサロン会員も交えてのグループディスカッションを行った。この取り組みを通じて、会員により提言を理解してもらうこと、提言の対外発信の強化を図った。
 この他、予算編成、税制改正に対しては、代表幹事アピール「令和2年度予算・税制改正大綱に望む」を取りまとめ、9月30日に記者発表した。

【委員会等の活動(3):主に特定事業の支援・実行に取り組む委員会の活動】

㉒ 関西広域インフラ委員会

委員会会合1回(6月13日)、講演会1回(10月1日)を開催した。更に自治体や他の経済団体と共同で高速道路網、南海トラフ地震等に対する緊急防災対策促進等を求める要望活動を行った。

㉓ サイバー適塾支援委員会

サイバー適塾の会員増強やカリキュラムの充実などへの支援を行った。

㉔ お水汲み祭り支援委員会

堂島薬師堂節分お水汲み祭り(2月3日)の開催を支援した。

【委員会等の活動(4):会員相互の交流、自己啓発を主目的とする委員会の活動】

㉕ 会員懇談会

時宜を得た講師を招き、3回(7月4日、10月4日、1月27日)の講演会を開催し、会員の相互研鑽・交流を図った。

㉖ 経営塾

講演会を3回(9月19日、11月27日、1月17日)開催した。変革・成長を続ける企業の経営者から話を聞き、意見交換することで、研鑽を積んだ。

㉗ 若手の会

講演会2回(7月9日、11月18日)、視察(1月24日)の他、幹事会・総会合わせ10回開催し、意見交換に努め、次代の経済人としての資質向上を図った。更に、懇親ゴルフコンペ(9月7日)、忘年会(12月19日)を開催し、メンバー相互の交流を深めた。
以上の委員会等の活動に加え、平成31年4月1日から令和元年5月13日までは、前年度の事業計画を引き継いで、前委員会の提言などの発表(2件)や中部経済同友会との合同懇談会(4月3日)、6経済同友会代表幹事懇談会(4月4日)なども行った。

【他経済団体などとの連携強化~本会の更なるプレゼンス向上に向けて①】

2019年G20大阪サミット関西推進協力協議会にも参画し、6月28日・29日のG20大阪サミットの開催に協力した。一昨年11月に大阪開催が決定した2025年国際博覧会については、2025年日本国際博覧会協会に参画、開催準備に協力している。
他に、他経済団体や自治体などと共同し以下の要望等を発表、実現を働き掛けた。
・北陸新幹線早期全線開業実現決起大会決議(北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会、6月)
・関西創生のための高速道路ネットワークの早期整備に関する要望(関西高速道路ネットワーク推進協議会、8月及び10月)
・南海トラフ地震等に対する緊急防災対策促進に係る提言(自治体、経済団体等による共同、11月)
・要望「北陸新幹線早期全線開業実現に向けて」(北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会、11月)
・三重・奈良・大阪リニア中央新幹線建設促進大会決議文(リニア中央新幹線早期全線開業実現協議会含む4団体、12月)
・第15回ミナミ活性化協議会代表者会議共同アピール(2月)

また、下記のように、他団体と共同で政策決定者や内外のリーダーとの懇談会も開催、参加した。加えて産業振興、都市魅力向上でも連携を図った。
・萩生田光一 自由民主党幹事長代行と関西経済3団体との懇談会(5月31日)
・北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会設立総会・北陸新幹線早期全線開業実現決起大会(6月14日)
・2019年G20大阪サミット関西推進協力協議会主催歓迎レセプション(6月27日)
・西村康稔 内閣官房副長官と関西経済界との夕食懇談会(7月5日)
・甘利 明 自由民主党選挙対策委員長との政策懇談会(7月10日)
・岸田文男 自由民主党政務調査会長と関西経済界との夕食懇談会(8月23日)
・ハシム・サチ コソボ共和国大統領との懇談会(9月10日)
・黒田東彦 日本銀行総裁との懇談会(9月24日)(4団体共催)
・二階俊博 自由民主党幹事長と関西経済界との夕食懇談会(10月20日)
・財務省幹部と関西経済団体との懇談会(10月21日)
・高燕 中国国際貿易促進委員会会長一行との懇談会(10月21日)
・ドバイセミナー~Dubai EXPO2020~(12月20日)(3団体共催)
・令和2年大阪新年互礼会(1月6日)(大阪府・市、経済3団体共催)
・関西経済界と関西広域連合との意見交換会(1月23日)
・大阪観光局(DMO)の推進に関するトップ会議、水と光のまちづくり推進会議(1月25日)
・大阪府・市・経済3団体首脳による意見交換会(1月25日)
・リニア中央新幹線早期全線開業実現協議会シンポジウム(1月29日)

このほか、「IR推進会議」「大阪MICE推進委員会」「ワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会」「ラグビーワールドカップ2019大阪・花園開催推進委員会」「なにわ淀川花火大会」「ミナミ活性化協議会」「『百舌鳥・古市古墳群』世界遺産登録を応援する府民会議」など、大阪府・市や他団体と協力し、大阪の魅力・賑わいづくりにも継続的に取り組んだ。
本会が提言して設立された「関西サイエンス・フォーラム」「スポーツコミッション関西」「アーツサポート関西(ASK)」「関西キャリア教育支援協議会」などの活動に対しても支援を行った。

【発信力の強化~本会の更なるプレゼンス向上に向けて②】

報道機関への情報提供をはじめ、事業を広く一般に知らしめるとともに、理解を訴えるために、下記をはじめ、様々な活動を行った。
○代表幹事記者会見を12回開催し、記者からの質問に応じるとともに、本会の主張への理解を訴えた。大阪経済記者クラブとの懇親パーティ(7月11日)なども開催し、発信に努めた。
○報道機関からの要請に応じて代表幹事コメントなど18件を発信した。
○本会の活動の概要を掲載する会報を年間9回発行し、会員及び行政・自治体・報道機関などに提供した。
○ホームページへの掲載を通じて、提言をはじめ本会の活動を積極的に発信した。