グローバルに活躍できる人材を教育の場で
~4つの素養を身につけ世界で活躍を~
2013.04.03update
急速に少子化・高齢化が進む中、国内市場の縮小、経済のグローバル化の加速による国際競争の激化等、わが国が将来にわたって持続的な経済成長を維持することが極めて困難な時代を迎えて久しい。失われた 20 年に象徴されるように、日本は喫緊の課題を解決せずに放置してきた結果、今日のような閉塞感を招くこととなり、もはや問題の先送りはできない状況となっている。また、近年では探求する、研究するという姿勢に欠ける学生が大学を卒業し、自分の将来像を描けないまま社会に出ていくケースも多く、内向き志向の人間も増加している。これを打破するためにも、日本は従来の枠組みに捉われず、多様性を認め、開かれた国を目指すことが求められている。
これまでの日本の価値観、社会システムを見直すためには、まず国民一人ひとりの意識の変革が必要であり、幼少時から人間形成に大きな影響を与える教育は、新しい日本を創るうえで重要な柱のひとつである。先の東日本大震災時に、住民が取った冷静な行動は世界中を驚かせたが、このような秩序や礼節を重んじる精神等、日本人が歴史的に育んできた国民性は維持しつつ、国民ひとりひとりの個性を伸ばし、既成概念に捉われず違う文化や価値観を受け入れる多様性に富んだ、チャレンジ精神を養うことができる教育のありかたを皆で議論する機運が高まっている。
このような基本認識の下、当委員会では、日本がグローバル時代に世界に伍していく為に、実際に教育現場で新たに試みられている実例も参考にし、教育現場を如何にして改革し、グローバルな素養を備えた人材を育成するかについて提言する。
2013年4月
一般社団法人 関西経済同友会
新しい教育を考える委員会