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提言・アピール等

自立と連携に基づく「しなやかな一流国」へ
~好きで、誇れる一流国を目指して~

2013.04.11update

平成25年(2013年)4月
一般社団法人 関西経済同友会

新しい日本のあり方委員会

世界は今、パラダイムシフトとも呼ぶべき歴史的転換点を迎えている。欧米先進国の低迷、新興国の台頭に伴い、世界のパワーバランスは着実に変化を遂げつつある。この歴史的大転換は、新たな課題を国際社会に投げかけるとともに、国際社会における意思決定の仕組みそのものにも影響を及ぼしており、世界は新たな国際秩序形成に向けて大きく舵を切っている。加えて、世界は急速なグローバル化の進展を背景として、企業のみならず、国や個人も巻き込んだ苛烈な国際競争に巻き込まれている。

わが国は、世界のパワーバランスの変化に加え、抱える諸課題に対する解決を先送りしてきた結果、国際社会における存在感を徐々に低下させており、このまま手をこまぬいていれば、「好きだけど、誇れない二流国」に転落しかねない状況に陥っている。わが国が一流国であり続けるためには、国民ひとり一人が国際競争に晒されているという自覚と戦う姿勢を持ち、厳しさを増す国際競争に勝ち残っていく必要がある。

一方、最近の状況に目を向けると、微かな希望の光が差し込んでいる。東日本大震災後、日本人の利他主義の精神や秩序ある行動に対し、世界各地から賞賛の声が寄せられたことは記憶に新しく、わが国は国際社会での評価を着実に取り戻しつつある。また、2012年12月の政権交代後に打ち出されたアベノミクス(第2次安倍内閣の経済政策)の効果から、デフレ脱却・経済復興への期待も高まりつつある。

わが国は、国民の間で希望が高まりつつあるこのような状況をプラスに捉え、

  1.  次世代を担う若者層へスムーズにバトンを受け渡すことができる社会の構築
  2. 多様性(女性・高齢者・外国人 等)を活かした経済・社会システムの構築
  3. 持続性のある経済・社会政策(社会保障制度改革・国家戦略策定 等)の実現

に向けて、わが国の将来を担う若者が夢と希望を持てる新たな国の方向性を示すことが必要である。このような認識のもと、関西経済同友会では、おおよそ20年先を見据え、わが国が目指すべき「新しい日本のあり方」についての検討を行った。

新しい日本のあり方を検討するうえでは、現在活かしきれていない日本の強みや隠れた日本の強みである「日本力」を出発点とする強点発揮型アプローチの導入が必要不可欠であり、わが国は、この「日本力」を活用することで、全世代の心を掴み、多様性、持続性を持った「新しい日本」を創造していくことができると考えられる。

わが国が確固たる信念のもと、世界の先陣を切って世界から認められる新しい時代の一流国となり、結果、「好きで、誇れる一流国」としての姿を取り戻すことを我々は期待している。