戦略的CSRによる企業価値向上
~CSVを通じて持続的成長を目指そう~
2013.05.10update
CSR(=企業の社会的責任)という言葉が定着して久しい。欧米では、経済・企業活動のグローバリゼーションの進展に伴い、地球環境問題や資源争奪競争、労働問題などの課題が浮上し、その反省も含め企業行動の在り方について国際機関やNPOを巻き込んで議論が進んだ経緯がある。社会の持続的発展、持続可能性を所与のものとして、その恩恵のみを享受することは認められない時代となりつつある。
わが国は国際的な基準作りで世界をリードすることこそできなかったものの、逸早くこうした動きを踏まえて体制を整備し、CSR活動を強化した企業が少なくない。そもそもわが国では、企業は「社会の公器」という意識が強く、設立以来、企業理念として社会貢献を掲げる企業が多い。CSRは「社会的責任」という言葉が示す通り自発的なものであり、社会的使命感や高い倫理観の裏付けなくして継続はできない。わが国の企業は歴史的、DNA的にCSRとの親和性が高いといっても過言ではない。
一方、企業行動基準の国際化やテーマの多様化に対応するうちにCSR活動の間口が広がり、横並び主義に流れている、あるいは個別テーマごとの部分最適に陥って本来の機能を見失いがちであることは否めない。当委員会では、社会の持続的発展への貢献と企業価値の向上に繋がる戦略的CSRについて提言する。
平成25年(2013年)5月
一般社団法人 関西経済同友会
企業経営委員会