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提言・アピール等

平成27年度予算・税制改正大綱に望む
~成長戦略の実行にこだわり、未来志向型の予算編成・税制改正を~

2014.11.07update

2014年11月
一般社団法人 関西経済同友会

経済政策委員会

平成27年度予算編成・税制改正は、アベノミクス“第3の矢”である成長戦略を実現するための成否を占う正念場である。なかでも、安倍内閣が最重要政策に掲げる「地方創生」は、我が国が立ち向かうべき最大の課題といえよう。

人口減少や若年層を中心とした首都圏への人口流出(東京一極集中)は、多くの地方が抱える課題であるとともに、裏返せば、人口過密等による生活の質の低下や莫大な高齢化対応投資負担といった観点で、首都圏にも降りかかってくる課題でもある。また、企業の海外移転の進展、新興国の追い上げ等を背景とした国内における産業・雇用基盤の脆弱化(産業の新陳代謝が起こりにくい)については、そもそも地方に限らず「課題先進国」日本全体のテーマである。その意味で、12月に示される予算・税制改正大綱において、政府が成長戦略の具体的施策として、「地方創生」に関し国内外にどのようなメッセージを放つかが、今後の日本経済を占う試金石となる。

今回の「地方創生」は、人口増加局面において地方の隅々まで画一的にインフラ整備をしていく、といった従来型の「地方活性化」とは異なる意味を持たねばならない。6月の骨太の方針では、「50年後に1億人程度の安定した人口構造の維持を目指す」とされたが、今後の我が国における老年人口や出生数の推移を鑑みれば、その実現は必ずしも容易ではない。従って、これからの「地方創生」は、急激な人口減少下において持続可能な将来の国のかたち、即ち「一極集中」ではなく、「多極分散」という基本理念を国民全体で共有したうえで進めていかなければならない。そのうえで、それぞれの「極」を中心とした交通基盤の整備や、各地域における人口動態や産業特性を踏まえ、いかにして地域独自の優位性・魅力を発揮し、持続的な成長と生活の質の向上を成し遂げていくか、が論点となる。

そのためには、はじめの第一歩として、我が国において首都圏と並ぶ「極」を創出することが不可欠である。関西は、人口規模もさることながら、その生活・産業基盤や文化・歴史の厚み、大規模災害やテロなど騒乱時の首都代替機能(ナショナル・レジリエンス)、西日本の各地方の牽引役としての役割といった観点から、西日本における「極」として、我が国の双発エンジンとなりうる最有力の地域である。東京一極集中是正において、関西の成長に力点を置くことは最も近道である。こうしたことを踏まえ、関西経済同友会は、関西が社会・産業基盤を強化し国家の発展に寄与できるよう、来年度予算・税制改正大綱において、地域の実情に即した柔軟な予算配分・財政支援が行われること、および地域の個性の発揮を阻む様々な規制が緩和されることを政府に対し強く望む。以下に、その具体的な提言を挙げたい。

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