世界につながり、世界で評価されるベンチャーエコシステムを目指して
2018.04.17update
1.問題意識
世界のベンチャーエコシステムは、競争しつつ交流することによりネットワーク化している。関西のベンチャーエコシステムは動き出しつつあり、ベンチャー企業も少なからず存在するが、世界に対しては目立たない存在にとどまっている。「ベンチャー企業が活発で活動しやすい地域」との評価が確立されていない。そこで、昨年の提言※や視察をもとに、PDCA評価の観点から現状を分析。その結果を踏まえ、以下を産官学に対して提言する。(※「デザイン思考で世界に通用する企業が羽ばたく地域・関西へ」(2017年4月))
2.対応方策(提言)
【1】情報発信とワンストップサービス
- 関西にどのようなベンチャー企業やそのネットワークがあるか、どのような支援・サービスがあるか情報を集約。公的機関のリーダーシップの下、ポータルサイトによる情報発信やワンストップサービスの実践を。
【2】国内外での積極的なプロモーション
- 世界のエコシステムのネットワークに入るため、産官学が協力し、プロモーションを積極的に実施。海外からも含め、起業を目指す者の発掘や誘致、支援者拡大につなげるべき。またアクセラレータやベンチャーキャピタルの誘致、活動支援を。
【3】オープンイノベーションの普及
- 既存企業の多くは自前主義の考えが強く、自らの課題を積極的に公開することが苦手。今後は、各企業がオープンイノベーションや産学連携の推進に関する方針を明確化し、対外的に発信すべき。また大学は、学内の技術シーズを積極的に発掘し、社会実装・事業化に向けた更なる取り組み推進を。
【4】情報集約と発信・PDCAの仕組み
- 関西のベンチャー企業の現状と課題を関係者が共有し、必要な手立てを講じるPDCAが不可欠。ベンチャー支援関係者が官民、国、地方の枠を超えて会する「関西ベンチャー支援ボード(仮称)」の発足を。
イノベーションが加速する中で世界のベンチャーエコシステムは競争しており、関西のベンチャーエコシステムも先進エコシステムの一つとして世界に伍すことを目指していかなければならない。今は「調査」の時期ではなく、具体的な「行動」を起こす時期である。
以上
一般社団法人関西経済同友会
関西版ベンチャーエコシステム委員会