人材鎖国日本、このままでいいのか?
~日本は、内なるグローバル化を推進し、アジアとの共存共栄を図れ~
日本・関西が少子高齢化に伴う人口減少の下、グローバル経済の熾烈な競争に勝ち抜くためには、人口が増加し成長著しいアジア諸国と共に一体となって成長力を高め、「アジアとの共存共栄」を図るべきである。
日本が持続的に経済・社会発展していくためには、優秀な人材の確保が不可欠であり、若者、女性、高齢者に加え、外国人・グローバル人材の育成・活用に力を入れるべきだ。関西は、元来、アジアへのゲートウェイとして外に開けた土地柄であり、外国人を受入れる懐の深さがある。関西が先陣を切って、外国人が就学、就職し、長期に亘って住みたいと思える魅力的な街づくりに取り組むべきである。外国人を積極的に受け入れることで、
- 多文化・多様な価値観をもってイノベーションを促進し、
- 少子化・高齢化に起因する人手不足を軽減し、
- すでにアジアに進出している日系企業の更なる拡大発展を人材面でサポート出来る。
他方、アジア諸国は、日本の高度成長期を彷彿させるダイナミックな経済発展の途上にあり、インフラ整備や新産業育成のために日本企業の進出・協力を必要としている。これらの国々が日本に期待するのは、資本の投入、高度な技術の導入、事業のノウハウや経験の活用に加え、その国の若くて豊富な人材を育成し、自国経済の発展に活用することである。
つまり、アジア諸国のニーズとわが国のニーズは、優秀な人材の育成・確保という点で合致しており、Win-Winの関係を構築することが可能となる。
わが国は、海外からの留学生、労働者、観光客、定住者を更に受入れ「内なるグローバル化」を推進すると共に、日本人を海外に派遣し、積極的にアジアの人材を育成して、「外なるグローバル化」を推進するのだ。
このように人材交流が活発になれば、アジア全体の人材力の底上げが図られ、アジアの発展と日本の発展が同時に達成され「アジアとの共存共栄」につながるのである。
平成28年(2016年)5月
一般社団法人 関西経済同友会
アジア人材委員会