安倍政権の経済政策について:
~課題の先送りではなく、次世代のための経済・財政政策を~
2016.06.01update
本日、安倍首相より、景気の先行き不透明感等から、2017年4月に予定している消費税率の引き上げを2019年10月に延期することが表明された。
これまで、当会は、財政再建をアベノミクスの第4の矢とすべきであり、景気への配慮という観点からは、消費税率引き上げの再延期よりも、実効性のある成長戦略の速やかな実施こそが王道であり、国民が求めている政策であると主張してきた。
当会として、次世代に禍根を残さないためには、予定通りに消費税率を10%に引き上げ、さらなる引き上げについても早急に議論を行う必要があるとの考えは不変である。また、政治判断として、消費税率引き上げの延期を決断するのであれば、当然、社会保障費など歳出の抜本的削減を速やかに実施すべきである。
さらに、経済成長の観点からは、成長戦略の推進が重要であるが、大型の補正予算が検討されるなど、バラマキの芽がみられることが懸念される。規制改革といった、財政への負担が無く、民間の知恵を刺激する政策が進められることを求めたい。
わが国は既に本格的な人口減少社会に突入しており、次世代へ禍根を残さぬためにも、経済成長と財政再建の両立を見据えた政策対応が必須である。今後閣議決定される「経済財政運営と改革の基本方針2016」(骨太の方針)、「日本再興戦略2016」、「ニッポン一億総活躍プラン」においては、課題の先送りとならないよう、十分に留意して頂きたい。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 蔭山 秀一