代表幹事コメント

平成28年度政府予算案の閣議決定について

2015.12.24update

一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 蔭山 秀一

本日、平成28年度の政府予算案が閣議決定された。一般会計の総額は96.7兆円と、前年度当初予算を0.4兆円上回り、過去最大となった。

アベノミクスによる景気回復や消費税率引き上げ等により、税収が57兆円と25年振りの高水準となった結果、プライマリーバランスの赤字が9年振りの低水準である11兆円弱に留まるなど、財政に改善がみられる。しかしながら、新規国債発行額は前年度よりも減少したとはいえ30兆円を超えている上、国・地方を合わせた長期債務残高も約1,000兆円と依然として高水準であるなか、財政再建に向けた手綱を緩めるような状況にはない。

少子高齢化社会に突入したわが国では、経済成長に伴う税収増のみで財政再建を果たすことは不可能である。今般、社会保障費について、増加抑制策がとられているものの、こうした対策では増加傾向に歯止めがかからない。財政再建には社会保障と税の一体改革といった抜本的な改革が不可欠である。次世代にツケを残さないために、今こそ、痛みを伴う政策について、国民の理解を得られるよう、経済財政諮問会議等で一層議論を深める必要がある。

今後、来夏の参院選を控え、歳出拡大を求める声が高まることが予想される。政府におかれては、こうした圧力に屈することなく、バラマキが復活しないよう、規律のある財政運営に取り組んで頂きたい。

以上