代表幹事コメント

消費増税・経済対策 表明について

2013.10.01update

一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 鳥井 信吾

安倍首相が来年4月の消費増税を決断され、日本の国家財政の再建に一歩踏み出したことを支持する。世論、各政党間の軋轢を乗り越え、日本の将来にとって必要不可欠な政策実行に踏み切られたことを評価したい。ただ、増税で景気が失速したら、元も子もない。特に増税時の景気の落ち込みをできるだけ小さく抑えられるよう、政府には必要に応じ、追加景気対策を講じてほしい。

消費増税は国民に大きな負担を強いることを、政府は忘れてはならない。公共事業による一時的な景気対策のみに頼ることなく、国際競争に打ち勝てるよう、法人税減税や異次元の規制改革など、中長期を見据えた成長戦略の断行をお願いしたい。企業収益の拡大が家計を潤し、消費を刺激するといった好循環を生み出せるよう、政府も企業も不断の努力を続けるべきだ。

消費増税は、あくまで「社会保障との一体改革」であるべきだ。毎年1兆円ずつ自然増になる社会保障費の抑制に、早急に取り組む必要がある。「税」のみを先行させるのではなく、持続可能な社会保障制度への道筋を早急に描いてほしい。

また、財政再建には歳出削減への不断の努力も不可欠である。そのためには、財政健全化に向けた具体的な工程と歳出上限の設定や財政出動を行う条件の明確化・厳格運用といったPDCAサイクル(Plan Do Check Action)が確実に回るような仕組みづくりが必要である。

将来世代にツケを回さぬよう、安倍首相のリーダーシップで、今度こそ、覚悟をもって改革を進めてもらいたい。

以上