第43回関西財界セミナー「神戸アピール」
阪神・淡路大震災から10年となるここ神戸の関西財界セミナーに参加したわれわれは、犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、関係各位の復興への懸命なご努力に対し深く敬意を表する。また、地震発生直後から、多くのボランティアやNPO、さらに国内各地そして海外からの支援が復興への大きな力となったことを忘れてはならない。
昨年の国内におけるたび重なる地震・台風、スマトラ島沖地震・インド洋大津波など相次ぐ自然災害の発生は、人々の安全・安心への希求を従来にも増して高め、われわれも今回のセミナーを通じ、災害に強いまちづくりの重要性を再確認した。
社会のネットワーク化が進んだ今日、災害被害は圏域を越えて深刻な社会的、経済的影響を及ぼす。日本各地で予知できない自然災害が懸念される。とりわけ首都圏直下型の大地震に備え、何よりもまず、過度に一極集中した機能の地方へのリスク分散を図り災害に強い国づくりを進めねばならない。第二に、常日頃からハード・ソフト両面にわたる実践的な防災・危機管理体制を築いていくことが不可欠である。特に広域災害への対策として、府県・官民の枠組みを超えた協力体制の構築が急務である。第三に、災害発生時においては、自分のことはまず自分で守るという「自助」とともに、地域がコミュニティとして助け合う「共助」が重要である。「共助」の基盤となる地域コミュニティの再生、地域の防災力向上に向け、企業は地域社会の一員として、地域住民や行政と一体となり取り組んでいく責務を果たさねばならない。
防災先進国・日本、とりわけ関西には、1.17の経験・教訓を世界そして次世代に伝え、最大限に生かしていく使命がある。われわれは、自ら防災・減災に努めるとともに、わが国が有する防災・危機管理の経験やノウハウを提供するなど国際的な防災協力を一層強力に推進し、世界の安全と安心のために力を尽くすことをここに宣言する。
以上
2005 年 2 月 4 日
関西財界セミナー